2024年末、OpenAIから新しいAI、o3が発表されました。これが人類初のAGIではないか?と話題になっています。
AGI(人工汎用知能)
特定のタスクに限定されず、人間と同等の知能を持ち、幅広い問題を解決できる人工知能
o3がAGIであるかは、専門家の中でも意見が割れています。OpenAIのアルトマンCEOは公式にはo3がAGIであると認めていませんが、裏アカウントと言われるものを活用し、AGIが完成したことを宣言しています。このデータはOpenAI内部のものと推定され、本来は重大な機密情報の漏洩にあたりますが、CEOのアルトマン氏が広報活動として行っているのですから罪に問われることはないでしょう。これによると、o3のIQは157です。世界中の天才と呼ばれる人の多くを超えています。すでにo3は立派なAGIと私は考えます。


AGIが作られているのに、人々がいまだにIQに固執しているのは、不思議なことです。
ここでアルトマン氏、と思われるアカウントは気にある発言をしています。「AGIは作られた(created)」と完全な完成宣言を行っています。
このスモークアウェイというアカウントでは少しおどけた書き方をするため、アルトマン氏の公式発言とみなすことはできませんが、彼の本心としてはAGIがすでに完成したと判断している可能性が濃厚です。
AGIが完成したということは、第四次産業革命が最終段階に入ったことを意味しますし、今後私たちが前例がない革新、技術的特異点シンギュラリティに突入することを意味します。もっと騒動になって良いと思いますが、予想より話題になっていません。嵐の前の静けさといったところでしょうか?
本格的に世界が革新されるのは、2025年1月公開とされるAI「オペレーター」 の登場を待つことになるのかもしれません。
現状のo3は一部、人間より劣っている部分が残っているとされます。これをもってo3がAGIではないと考える人もいます。考えてください。人間の脳はたくさんの部分に分かれていて、それぞれ機能が異なっています。o3ほとんどの部分で多くの人間を超えていますが、一部は人間より劣っています。おそらくo3は人間の脳をほとんど模倣できている。ただ脳の一部の部位の再現が不足していると考えることが出来ます。o3に一部機能を追加するだけで人間の脳の再現は完了します。つまりAGIはほとんどの部分が完成、ごく一部だけ未完成の状態と見ることも出来ます。
最大の謎、アルトマンはなぜAGI完成を宣言しない?
アルトマンCEOは公式にはAGI完成を認めていませんが、裏アカウントを使い完成を宣言する、というダブルスタンダードの状態になっています。理由はなぜでしょう?私はMicrosoftとの契約が関係していると考えます。MicrosoftはOpenAIの株を半数持っているとされ、最大のスポンサーです。MicrosoftはOpenAIが開発したAIを独占的に提供を受け、自社のデータセンター内での運用や独自のカスタマイズも認められています。
MicrosoftとOpenAIの契約にはAGI条項というものがあり、AGIが完成した時点で以降のAIの提供が中止されることになっています。アルトマンCEOとしてはAGI完成を宣言したい気分なのでしょうが、OpenAIとしては、それを行った瞬間、最大のスポンサーを失う危険があるわけです。これが公式に完成を宣言しない理由でしょう。
MicrosoftはAGIの完成を望んでいない?
MicrosoftはAGIの完成を望んでいないように見えます。実際、OpenAIとの契約にAGI条項を盛り込みました?この理由は何でしょう?その理由は、ソフトバンクが発表したAGIの定義から予測できます。
こちらはソフトバンクが発表したものですが、OpenAIが定義したものと考えて間違いないでしょう。レベル5まではすでに一般に知られていますが、ここで初めてレベル8までが判明しました。問題は、この重要資料かOpenAIやMicrosoftではなくSoftbankから発表されたかです。
この中で、レベル5が完成=AGIの完成とOpenAIは定義しています。o3がこのレベルに達しているかは不明。おそらく達していません。アルトマン氏はこの定義ではなく、「特定のタスクに限定されず、人間と同等の知能を持ち、幅広い問題を解決できる人工知能」という一般的な定義からAGI完成を認識したと考えます。

この表でレベル6から8が人工超知能、ASIの領域です。これを見るとOpenAIの目的は明白です。人類を継ぐもの、ポストヒューマンの作成です。これは人類絶命のリスクをはらみますし、AIが人類を支配する、良くて人類がペット扱いとなります。これにMicrosoftは納得するでしょうか?ASIが完成したら、Microsoft365もいらなくなります。間違いなく納得しません。このため、OpenAIとの関係を解消するため、AGI条項を入れたのでしょう。
アルトマン氏の目的は、全世界を管理するASIを完成させ、人類の多くをその管理下に入れる、その結果、環境破壊や資源の争奪など人類が抱える全ての問題を解決することと推定されます。
そうすると、この表がOpenAIでもMicrosoftでもなく、Softbankから発表された理由も見えてきます。Microsoftはアルトマン氏の目的に賛同していません。Softbankは賛同しています。このレベル8をキリスト教の国で発表したら相当な反発を受けるでしょう。日本は鉄腕アトムやマジンガーZ、ガンダムなどロボットに対する抵抗が少なく、受け入れられる可能性が高い。そこを考慮し、アルトマン氏の古い友人とされるソフトバンクの孫氏が代行して発表したと考えられます。実際に発表は大きな批判を受けることなく受け入れられており、成功と言えます。これをOpenAIやMicrosoftが発表していたら、大変なことになっていたでしょう。
どうなる?MicrosoftとOpenAI
2社の今後の関係ですか、ビジョンを共有できていない以上、これ以上の関係継続は困難でしょう。Softbankはビジョンを共有していますが、AGIやASIの開発に必要な資金をMicrosoftに代わって提供する能力があるかは微妙です。次世代のAI用データセンターは15兆円必要とされます。ASIの完成にはさらに100兆程度かかるかもしれません。ビジョンファンドの規模は20兆円程度とされ、新規に調達するにしても日本の国家予算クラス。相当な困難が予測されます。SoftbankがOpenAIの筆頭株主になったら面白い、とは思いますが現実厳しいかもしれません。
アルトマン氏が全世界を管理する人工超知能ASIの完成、という目標をいったん取り下げ、Microsoftが望むと思われる「人間の仕事をサポートするAI」の開発に専念してくれれば、2社の関係が一時的に修復されることもあるかもしれません。
100兆円か200兆円で世界を管理できるAIを作れるなら、良い投資とは思います。どこかの企業様、いかがでしょうか?
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