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集中力を高める食事術――「何を食べるか」より「集中できる状態をどう作るか」

執筆者の写真: 伊賀上真左彦
伊賀上真左彦
8月29日
読了時間: 7分

更新日:8月31日


※本記事をAI動画化しました 「昼ごはんを食べたら、急に眠くなった」

「午前中は調子がよかったのに、食後は頭が回らない」

「夕方になると甘いものが欲しくなり、仕事が手につかない」


こうした経験は珍しいものではありません。


集中力というと、睡眠や仕事環境、スマートフォンの通知などに目が向きがちです。しかし、もう一つ見逃せないのが食事です。


私が提唱している「集中力ファースト」では、集中力を精神論として考えません。

「気合を入れて集中する」のではなく、自然に集中しやすい体と環境を先に作る

食事もその一部です。


では、集中力を維持するためには、どんな食べ方をすればよいのでしょうか。



集中力を乱す「血糖値のジェットコースター」

食事を考えるうえで、まず意識したいのが血糖値です。


糖質を摂ると、消化・吸収されたブドウ糖が血液中に入り、血糖値が上がります。それに対応してインスリンが分泌され、血糖値を調整します。問題になるのは、この動きが大きすぎる場合です。


血糖値が急激に上昇し、その後大きく下がると、眠気やだるさを感じたり、頭がぼんやりしたりすることがあります。仕事で考えると、かなり厄介です。


  • 重要な企画書を書こうとしているのに頭が働かない。

  • 資料を読んでも内容が入ってこない。

  • 会議に参加しても、話の要点を追うだけで精いっぱいになる。


これではディープワークどころではありません。


さらに血糖値が大きく下がると、今度は「何か食べたい」「甘いものが欲しい」という欲求につながることがあります。すると菓子パンやお菓子を食べ、再び血糖値が大きく動く。

眠い→甘いものを食べる→一時的に元気になる→また眠くなる

というループに入ってしまいます。血糖値の変動は、眠気だけでなく、集中力低下や過食にもつながり得ます。


だから集中力を高めたい人にとって、



「お腹を満たすための食事」から「集中できる状態を作るための食事」へ

発想を変えることが重要です。



食事術① 糖質を「単独」で食べない

最初のルールは非常に簡単です。ごはんやパンだけで食事を終わらせないこと。


糖質を摂るのであれば、たんぱく質や脂質、食物繊維を組み合わせます。


例えば、

  • ごはん+納豆+卵+みそ汁

  • パン+卵+ツナ+サラダ

  • おにぎり+サラダチキン

  • ごはん+焼き魚+野菜


といった形です。


糖質だけを摂るよりも、肉、魚、卵、大豆製品、ナッツなどを組み合わせることで、糖の吸収が穏やかになりやすくなります。


ここで重要なのは、特別な「集中力アップ食品」を探すことではありません。


スーパーやコンビニにある普通の食品でも十分です。


集中力のために必要なのは豪華なメニューではなく、組み合わせの設計なのです。



食事術② 「野菜→たんぱく質→糖質」の順に食べる

もう一つ簡単にできるのが、食べる順番を変えることです。


例えば、

①野菜・海藻・きのこ②肉・魚・卵・大豆製品③ナッツや良質な脂質④ごはん・パン・麺

という順番です。

いわゆる「ベジファースト」に近い考え方です。

最初に食物繊維を摂ることで、糖が一気に吸収されにくくなり、食後の血糖値の上昇を穏やかにする方向に働きます。

同じ定食を食べるとしても、食べる順番を変えるだけ。

これはかなり実践しやすい方法です。



食事術③ 「糖質禁止」ではなく、集中する時間だけ選び方を変える

ここは誤解してほしくないところです。

糖質を悪者にする必要はありません。


白米が好きなら食べればよいですし、パンや麺を一生やめる必要もありません。大切なのは「ゼロか100か」ではなく、重要な集中時間の前だけ少し工夫することです。


例えば午後1時から重要な資料を作るのであれば、その直前の昼食では、白米を大盛りにするのではなく少なめにする。あるいは玄米、雑穀米、全粒粉パン、豆類などを選んでみる。


精製度の高い糖質より、食物繊維を含む食品のほうが血糖値を穏やかに上げやすい傾向があります。


つまり、「好きなものを禁止する」のではなく、「集中したい時間に合わせて食事を調整する」という考え方です。


このほうが長続きします。



食事術④ 重要な仕事の前は「たんぱく質多め」を試してみる

私が特に意識したいと思っているのが、ディープワーク直前の食事です。


重要な企画、執筆、勉強、プログラミングなど、長時間頭を使う予定があるなら、直前に糖質を大量に摂るより、たんぱく質をしっかり摂り、糖質をやや控えめにするという方法があります。


例えば朝なら、

「納豆+卵+みそ汁+少なめのごはん」でもよい。

「ギリシャヨーグルト+オートミール+少量のナッツ」でもよい。

「全粒粉パン+ツナ+卵」でも構いません。



本でも、高たんぱく寄りの朝食を集中しやすい状態を作る一例として紹介しています。

重要なのは「これを食べれば必ず集中できる」という魔法のメニューを探すことではありません。


人によって体格も活動量も違います。


自分の場合、何をどのくらい食べたときに頭が一番冴えるのか。

これを探していくことです。



食事術⑤ 集中が切れたら「とりあえず甘いもの」をやめる

午後3時。

集中力が切れた。

チョコレートでも食べよう。



これはよくあるパターンです。

もちろん、糖分が短時間のエネルギー源になる場面はあります。しかし数時間にわたる仕事や勉強を考えるなら、砂糖の多いお菓子や甘いジュースばかりに頼るのは得策とは限りません。


間食をするなら、

  • ナッツ

  • チーズ

  • ゆで卵

  • 無糖ヨーグルト

  • カカオ含有量の高いダークチョコレート


などを選択肢にしてみる。



本でもこうした食品を、血糖値を大きく乱しにくい一般的な間食例として挙げています。


「間食禁止」ではありません。

むしろ重要なのは、何を、いつ、何のために食べるのか。です。



食事術⑥ 食べた後に10~15分だけ動く

食事そのものだけでなく、食後の行動も重要です。


昼食後、そのまま椅子に座り続けるのではなく、少し歩いてみる。

10~15分程度のウォーキングやストレッチでも構いません。

筋肉がブドウ糖を取り込むため、食後の血糖値上昇を抑える助けになります。


会社員なら、

  • 昼食後に少し遠回りしてオフィスへ戻る。

  • 在宅勤務なら、

  • 近所を一周してから午後の仕事を始める。


これなら特別な運動時間を作る必要もありません。


個人的には、「昼食→10分散歩→午後の仕事」までを一つのセットにしてしまうのがおすすめです。



「集中力ファースト式」の食事は、意外と普通

ここまで読んで、

「ずいぶん普通の食事だな」

と思った人もいるでしょう。


その通りです。


集中力を高めるために、怪しいサプリメントを探したり、毎日特殊な食事を用意したりする必要はありません。


私なら、まず次のように考えます。


たんぱく質をしっかり摂り、午前中の集中に備える。

午後に重要な仕事があるなら、糖質を食べすぎず、野菜・たんぱく質を組み合わせる。

間食甘いものだけに頼らず、ナッツ、卵、ヨーグルトなども選択肢にする。

食後10~15分程度歩く。

仕事中水分をこまめに補給する。


これだけでも十分に「集中力を意識した食事」になります。



完璧な食事より、「午後眠くならない食事」を探す

集中力ファーストで一貫している考え方があります。

それは、人間をルールに合わせるのではなく、自分に合う方法を探すこと。です。


  • 睡眠時間にも個人差があります。

  • 集中しやすい時間帯にも個人差があります。

  • 当然、食事にも個人差があります。


そのため、いきなり食生活を全部変える必要はありません。


まず、

  • 「昼のごはんを少し減らしてみる」

  • 「野菜から食べてみる」

  • 「菓子パンだけの昼食をやめて卵を足してみる」

  • 「昼食後に10分歩いてみる」


といった小さな実験をしてみる。


そして、午後の眠気がどう変わったか。頭の冴え方がどう変わったか。ディープワークを何分続けられたか。を観察します。


本の中でも、完璧な食事法を目指すのではなく、自分の体調や生活リズムを見ながら小さな工夫を積み重ねることを重視しています。


食事の目的は、「健康的な人に見られること」ではありません。


仕事や勉強をしている時間に、自分の頭が本来の能力を発揮できる状態を作ることです。

集中力は、頭だけの問題ではありません。


睡眠、運動、ストレス、環境、そして食事。

それらを少しずつ整えた先に、「頑張らなくても自然に集中できる状態」があります。

これこそが、私が考える集中力ファーストです。



 
 
 

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