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  • 執筆者の写真伊賀上真左彦

RPAの見積もりの方法

こんにちは、伊賀上です。今回はこちらの内容にてお伝えします。


RPAの見積もりは難しい


RPA(Robotic Process Automation)の見積もりは、従来のExcel VBAなどと比較して難しい部分があります。理由は以下の通りです。


・VBAは20年ほど仕様が変わっておらず、長期間安定し動くことが保証されている。

・対して他の言語は不定期に仕様の変更が行われる。

・複数の言語を組みわせて使うことも多く、エンジニアの確保が難しい。

・パソコン、OS、ブラウザのバージョンアップなど、複数の原因で動かなくなるリスクがある。

・業務のデータをすべて開示いただかないと開発できないが、大企業ではそれが難しい。


これは従来のVBAよりシステム開発に近い、むしろ超えるむずかしさです。これに対応するには「内製化」を行うのが適切ですが、その場合でもある程度の見積もりは行います。


RPAの開発の初期費

これは私が行う場合、という話で一般的ではないと思いますが、私がRPA開発の初期費をいただく場合、金額はゼロ、もしくはマニュアル作成、要件定義の費用だけとし、開発費、という名目ではいただきません。これは開発が失敗した時に備えたものです。


人間の作業を完全に自動化する、という約束で開発費100万円をいただいたとします。9割は自動化できたが1割人間の作業が残った。その場合に誰がその人件費を負担するか、でもめることが多いです。成功するかどうか明確ではないのですから、開発費はいただかない方が安全です。開発費は、月々の運用費に交え、サブスクリプションでいただきます。


マニュアル作成費用は、マニュアルが整備されている場合不要、もしくは減額できる場合があります。


RPAの運用費

運用費に関して、私は「人間がその作業を行った場合の人件費」を基本に見積もります。時給いくら×何時間という形です。開発費がいくらかかっても、そこは考慮しません。通常は2から3年の縛りを付けさせていただきます。


イメージとしては、

①初期費100万円、運用費ゼロ円、その他保証なし

②初期費ゼロ円、運用費3万円/月、3年縛り、メンテナンスや非常時の手運用込み


という場合、多くの方は②が良いと判断します。3年以上に渡り運用された場合、②の方が儲けも多いです。RPAをメンテナンスし続けるには、エンジニアを雇いつづける必要があり、そのためにもスポットで大きいお金をいただくより、サブスクで一定金額をいただく方が有利です。


人間が手で行う場合の費用を元に運用費を試算していますので、最悪は人間が手で行っても赤字にはなりません。


依頼する側の企業からしますと人間が行う場合と比較し費用が安くなっていない?と思われるかもしれませんが、一度RPA化しますと以降は教育も、採用も、体調不良で休むことも、残業も臨時出勤も、マネージャーに管理させる必要も一切ありません。十分なメリットではないでしょうか?


もう一つ重要なのは、RPAで自動化できるのは繰り返しの定型業務だけ、という点です。定型業務を何年も、何か月もやる続けた従業員は、やがて年を取り他のことが出来ない社員になってしまいます。こういったリスクを知っている企業はRPAの開発を依頼してきます。十分にメリットがあるんですね。


本日はここまでとさせていただきます。まとめますと以下の通りです。

・RPAの見積もりは初期費を下げ、数年縛りのサブスクとした方がトラブル回避とメンテナンス、そのためのエンジニア確保の点から良い。

・人間が作業した場合の金額を基準に月額の運用費を見積もると、赤字になることが少ない。


繰り返しになりますが、RPAは内製化が望ましいと思います。ただそのためには、メンテナンスを込みで複数名のエンジニアを雇い続ける必要があり、ある程度の規模も企業しか難しいとも思います。難しい企業は、フリーランスのエンジニアをスポットで雇うのも手ですし、私など外部のエンジニア、企業に依頼をしていただいてもよろしいかと思います。








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