本日はPADでエクセルの表を元にメールを自動下書きする方法をご紹介します。メールを1件だけ下書きするなら、PADを使うより人間が手で行った方が速いです。PADを使うメリットはこの連続下書きにあります。
下書きのアクションは2024年4月に追加された最新のアクションになります。Outlook VBAの寿命が迫る中、追加していただけたのはありがたいです。もう少し早めでも良かったんだよ。
ではやってみましょう。
手順①エクセルファイルの用意
このような形のエクセルを用意します。注意点として、1行目は項目としてください。データは2行目から入れます。これ以外の形式のエクセルでもPADは処理できますが、こちらの方が楽に対応できます。
手順②PADの起動
新しいPCでは最初からインストールされていると思います。Microsoftが無料で配布していますので、使えない場合はダウンロードしてください。
手順③「新しいフロー」をクリック
手順④任意の名前をつけて作成
手順⑤「Outlookを起動します」のアクションを検索して探し、ダブルクリックするか、中央のエリアにドラッグする。この時、先ほどのエクセルファイルを開くようにドキュメントパスの項目を設定ください。読み取り専用で良いと思います。
手順⑥「アクティブなExcelワークシートの設定」のアクションを追加し、データが入ったエクセルのシート名を入力。
この設定を行わない場合、エクセルの一番左のシートからデータが取得されます。今回のエクセルは1シートしかないため、この設定は行わないでも構いません。
手順⑦「Excelワークシートから読み取る」のアクションをダブルクリック、必要な項目を設定し「保存」をクリック
手順⑧「Outlookを起動します」のアクションをダブルクリック、必要な項目を設定し「保存」をクリック
特に設定項目はありません。
手順⑨「For Each」のアクションを追加。反復を行う値として「%ExcelData%」を指定した上、「保存」をクリック
%ExcelData%は「反復を行う値」の資格の右の方をクリックすると選べます。このアクションは繰り返しを行うアクションとなります。先ほど読み込んだエクセルファイルのすべての行に対して順番に処理を行います。
手順⑩「Outlookからのメール メッセージを送信」のアクションを追加。各項目を指定した上、「保存」をクリック
ここが一番難しいです。アカウントはご自分のOutlookのアカウント(メールアドレス)を手入力してください。「%CurrentItem['TO']%」について、「TO」というのが最初に作ったエクセルファイルの1行目、項目名になります。このような書き方でCC、件名、本文を指定します。「TO」の左右に「’(シングルクォーテーション)」をつけるのを忘れないでください。手入力する必要があります。「%CurrentItem[]%」については四角の右側をクリックすれば入りますので、手入力する必要はありません。PADはマウス操作で大抵の作業を行えますが、このように一部キーボード入力が必要な場所があります。
下書きつぃて保存、をオンにしてください。オンにしない場合、下書き保存ではなく送信になります。下書きに留める理由は、設定ミスによる誤送信を避けるためです。毎回同じないようなら自動送信で問題ありません。人間が手で加工してから送る場合、自動下書きにした方が安全です。下手すると全件誤送信、情報漏洩ですから。プログラムで自動下書き、人間がチェックしてから送る手は安全重視の業務では有効です。
「Outlookからのメール メッセージを送信」は「For Each」アクションと「End」の間になるようにドラッグで移動してください。このアクションは繰り返し実行しますので、この位置になります。
これで設定完了です。右矢印のボタンをクリックして実行ください。
通常、全てのメールが一括で下書きされますが、この画面では誤動作を防ぐためか、右矢印のボタンを何度もクリックしませんと下書きされない場合があります。あくまでテスト用の画面であるためでしょう。連続実行する場合、プログラムを保存して画面を閉じたのち、以下の画面で行います。
作成したプログラムを右矢印で実行します。うまく下書き出来ましたか?
このテクニックは納品書、請求書など大量の定型メールを送る部署では必須のテクニックになると思います。ぜひ習得しましょう。
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